cafe トネリコ | 日記 | 極小映画劇場 vol.7 「ザ・ファン」

こんにちは、店主です。
SONYウォークマンで鑑賞した映画の感想文です。
小さくっても映画は映画

さて、「ザ・ファン」です。主演はロバート･デ・ニーロです。
デ・ニーロとはTBSの深夜映画で見た「タクシー･ドライバー」からの付き合いで、かれこれ30年くらい。カミさんよりもロングです。
デ・ニーロ映画も随分ウォッチしてきましたが、ご承知の通り近年は出演作がインフレ状態で、どうもみる気がおきなくて…
「ハイドアンドシーク」「ボーダー」「トラブル･イン・ハリウッド」とかとか、ファールフライか、ゲッツーばかり。巨人の１億円プレーヤーじゃないんだから！ブルース・ウィリスの方が打率は良いような…
直近のトピックでは「世界に一つのプレイブック」でのアカデミー賞助演のノミネートがありましたが、見てみたかったなあ受賞スピーチ。そう言えばデ・ニーロが逃した助演賞を取ったクリストフ・ヴォルツと「Candy Store」なるスパイ映画で共演とのこと。
これは今から楽しみ！

さて本作ですが、プロ野球選手(ウェズリー・スナイプ)にストーカーするナイフのセールスマン役。監督がトニー・スコットということでケレンミある演出でテンポ良く見れます。デ・ニーロは子供との約束や仕事のアポを後回しにしてしまうほどの超野球バカ。そんなことだから誰からも尊敬されません。もう、尊敬されない男の見本みたいなもんです。さすがデ・ニーロ。このような世間と乖離した役なら「タクシー･ドライバー」で実証済み。本作はまるで「タクシー･ドライバー」のトラビスの中年版と言ったところ。
物語の後半、私生活も煮詰まったデ・ニーロは不調のウェズリーの為を思ってライバル選手をアレしてしまいます。当然ですがそんなデ・ニーロに対してウェズリーは冷ややか。押せば押すほどに遠のいてゆく相手の心。男女問わず世界共通のマナーですね。「タクシー･ドライバー」のデ・ニーロはベッツィーにも同様なアプローチをして半径１メーターを敵に回しましたが、本作も自分勝手に舞い上がってボストン中を敵に回すことに…

「タクシー･ドライバー」のデ・ニーロは勘違いの果てにヒーローになりますが、本作では相手が相手だけに同情の余地が微塵もありません。
オールタイムのベスト映画として本作をチョイスする御仁はおられないかと思いますが、「タクシー･ドライバー」の続編として「ザ・ファン」を同時上映して見るのもいいかも。

ああ、デ・ニーロ「ヒート」「ミッドナイト・ラン」「バックドラフト」最高でしたで、★★★☆☆